(ここでのお話は私達が担当させて頂くという場合ではなく、プロ家庭教師を選ぶ上での参考にして頂ければと思います。)
灘中・甲陽・洛南・東大寺・西大和・大阪星光・四天王寺(医師コース)クラスの最難関中学を受験される生徒たちを指導する上で、私達が何よりも大切にしていることは
【最短時間で解説を終え、生徒の通う塾流の解法で100%理解させる】という事です。
エリート塾といわれる塾に在籍し最難関中学受験をされるお子さん達には、5,6年生にもなると「いくら時間があってもやりきれない」と感じられるほどの課題を塾から与えられますし、最難関レベルの志望校に堅く合格するためには、塾の内容に余裕のある場合は更に計画的に過去問演習や傾向対策を先取りでしておくことも必要です(3〜5年生ではまだ余裕があるケースもあるので、その余裕があれば絶対その時間を無駄にすべきではありません)。
【時間はあってもあっても足りない。】と本当にそう感じられる親御さんも多いはずですが、
言ってしまえば、これこそが最難関中学受験です。
そういった厳しい環境の中で、
【少し他の子から遅れてしまったと感じる】
【模試では合格ラインにあと一歩届かない】
という状況に陥ってしまった場合でプロ家庭教師との併用をお考えになるのであれば、
【最も短い時間で必要知識をうめてくれる子供との相性も良い先生】を探してあげるということがとても大切になります。
極端な例で言ってしまえば、
【同じ質・量の問題の解き方を100%理解させるのに、4時間かかる先生ではなく、2時間で済ませられる先生】
を選ばなくてはならないという事です。
ましてや時間をかけても『100%の理解をさせられない』のであれば、その解法はすぐに記憶から抜け、蓄積されてはいきません。
そのような状態では家庭教師をつけても、最初の段階では伸びたとしても、最難関クラスではあるレベル以上からはなかなか偏差値が伸びないという状況に陥ってしまいます。
プロが指導する場合でも、目安として浜・希学園レベルでの偏差値 58〜60程度から、更に偏差値を5以上UPさせる必要がある場合(灘中・甲陽・洛南(女)・四天(医)志望生では特に)、皆が解けないような難問を深く、完璧に理解させることができないと、偏差値
60前後〜はなかなか生徒さんは伸びていきません。
講師の能力差は当然有りますし、お子様の能力と志望校のレベルが上がるにつれ、その差は顕著に表れることでしょう。
レベルの高い生徒さんであればあるほど、【不必要なことを省いて必要な要点だけを的確に解説できる講師の高い能力】が必要になりますが、各塾流でその点を瞬時に見極め、一番効率の良い授業が出来るかといった点は【プロとしての能力の中でも一番差がつくところ】です。
家庭教師選びの際には、スムーズなテンポの良いお子様のレベルにあった授業になっているか、体験授業等を通して数名の先生を比較され、親御さんの目でも確実に見極めないと、合格ラインに引き上げるまでに時間切れになってしまうという最悪のケースも起こります。
ただし…、これは大変難しい問題で、単純に時間給8,000円の講師を雇った時は4時間かかった塾の灘中特訓フォローが、時間給15,000円の講師を雇った時には半分の時間で片付いた、という様に価格帯の違う講師をつけた場合で素直にその差が現れることもありますし、逆に価格帯だけではかれない場合もございます。
同じ価格帯の講師であっても、お子様の現在のレベルや通われている塾が【担当する先生の得意分野とあっているか】ということに左右される場合もありますし、先生の性別やお子様との性格的な相性等によって【お子様の聞く姿勢か変わる】という点にも大きく左右される場合がございます。
内容に関して【先生の解説が普段塾で習っている知識の組み合わせで成り立っていたか?流れるようにスムーズに頭に入ってきたか?】という点はお子様ご自身の判断を信じて頂いて間違いありませんが、講師の話し方、テンポ、性格、提案してくれる学習提案が納得できるものであり、本当にお子様に合っているのかといった点は必ず親御さんも目でも厳しく見極めてあげる必要があります。
また、費用対効果について考えることも大切だと思います。
※ケース1
偏差値60以上の超難関校を目指す5,6年生の指導であれば、一番多いプロ家庭教師の価格帯である時間給8,000円〜時間給10,000円レベルの講師であっても、特に志望校別特訓のフォローに関しては、完璧な塾流でスムーズに解説が進まないといった【講師のレベル不足】が今の業界では十分にありえます。
プロ家庭教師という言葉の流行りもあり、最近では本当にこの価格帯の講師が非常に多く各家庭教師会におりますが、私の感覚では、中学受験業界でプロとしての結果を出せる講師は(偏差値60レベルの難関校対策で言えば)、この価格帯では全体の2、3割程度ではないかと感じております。
更に最難関といわれる学校を第一志望とされる場合は、『結果を出せるレベルの先生』に会える可能性がより低くなってしまうので、良い講師を見つけやすい時期(受験直後の2,3月)に複数社・複数名の講師の体験授業を受け、実際に比較をしながら選ぶことが本当に大切だと思います。
また、目指される学校のレベルが高くなればなるほど、無駄のない各塾流でのフォローと志望校別の出題傾向に関する講師自身の研究・努力が必要となりますので、時間あたりの料金は多少高くても、ある同じ単元のフォローが
【時間給8,000〜10,000円の講師では4〜6時間かけても100%の理解で終わらない】 のであれば、
【時間給は15000円だが、トップ講師であれば3時間できっちり100%理解して終えることができる】
という後者を選択される方が指導料の負担としても結局は低くおさえられることが多いですし、更に【他教科にかけられる時間も増える】という大切なことにも繋がりますので、結果も出やすくなるはずです。
よって、やはり【灘・甲陽・洛南・東大寺・大阪星光・四天(医)】あたりを第一志望とし、現在その目標に近い偏差値をおさめられているお子さんであれば、【大切な聞く力】もしっかり備わっているはずですし、【あとは講師の能力次第】で授業の進み方ががらっと変わりますので、こういった選択をして頂き、家庭教師の利用は最低限におさえていく事がベストではないかと思います。
(もちろん料金に関わらず良い先生もいらっしゃいますので、まだ余裕のある時期に、良い講師と出会える確率の高い2,3月のうちに複数人の体験授業を受け、良い先生が見つかった場合は可能であれば月1,2回程度の指導をお願いしつつ、いざとなればスケジュールを空けて頂けるようキープをしておくことも、『出来るのであれば』一つの手ではないかと思います。)
ただし、
※ケース2
【塾の下位クラスからなかなか抜け出せない】
【なかなか難関校レベルといわれる55以上の偏差値がとれない】
と言った状況ではまったく家庭教師の選び方も変わってきます。
この状況になると【基本の組み合わせで解く最難関の内容】ではなく、【基本知識・基本テクニックの一つ一つに穴がある】という事になりますので、教える側にも【根気はとても必要ですが、それほど特殊な能力】は必要ありません。
具体的には各塾の基本テキストの導入部分、浜学園であればテーマ教材〜演習教材のやさ問・A問〜むず問・B問、希学園であればベーシック教材の前半部分〜A・B、日能研であれば本科教材の前半部分にまとめられているような、【各塾の推奨する各単元におけるその塾流の解き方】を子供にわかりやすい実例をふまえながら、子供に伝わりやすい言葉でテキストに忠実に伝えてあげるだけですので、トップクラスのプロ家庭教師でなくては出来ないというレベルのことは一切ありません。
(ただし、注意すべきことは、ここでお子様の通う塾流ではなく、その先生の得意な解き方で教えようとする先生は論外だという事です。例えば、浜に通うお子さんを指導しているのに先生自身が日能研出身なのでそちらの解き方で教えたがる、などの例もありますが、これが一番悪い例です。)
【お子様の通われる塾流の解法を忠実に守り、塾の教材にそってきちんとわかりやすい言葉で指導してくださる先生】であれば時間給8,000円〜10,000円の価格帯にもたくさんいらっしゃいますので、この段階では時間給15,000円クラスのトッププロをつける必要はありません。
【絶対に穴を作らない確実な指導を受けたい】という理由でトッププロをご選択されるご家庭もあるかとは思いますが、このレベルの内容解説に関しては【トッププロだから半分の時間で同じ内容が終わる】ということもほぼありません。
更に【どの講師が見ても教え方や伝え方に差が出にくい】ということに加え、【基本の穴埋めにはどうしても時間がかかる】という実情もありますので、
【時間給8,000円の講師に4時間ついても】
【時間給15,000円のトッププロに4時間ついても】
同じ効果しか得られないことも多いですし、この基礎の定着には【子供が理解できるまで何度でも同じことを繰り返し教えてくれる先生の根気と人間性】が必要です。
とにかく本当に、何度も同じことを、わかるまで工夫しながら、根気強く繰り返し教えてあげる必要があるため、【単純に時間かかる】ので、
時間給は低い設定で経験もやや少ない先生だとしても、性別や性格・先生の人柄等の面でお子さんとも相性がよく、授業そのものがお子さんのストレスになりにくく、かつ、【たくさん来て頂ける先生】を選ばれる方が絶対に効果的であり費用対効果も良いはずです。
確かに【絶対に穴を作りたくない】という理由でこの段階でトッププロを利用されることも良いかとは思いますが、このケースでは内容の割に高額な授業料が発生してしまいます。
例えばこの状況から遅れを取り戻すまでに【週2回で3時間ずつ、徹底的に基礎からの穴埋めが必要】なのであれば、どの講師が見てもそれくらいの時間はかかってしまうので、トップ講師はスケジュールの都合で週一でしか来られない、という様な状況になってしまうと効果もかなりあがりにくくなってしまいます。
よって、こう言ったケースでは不安もあるかと思いますが、しっかりと割り切ってその選択は外すべきではないかと思います。
とにかく、どんなケースであれ、一対一での指導となる家庭教師は本当に【相性が大切】です。
お子様自身が尊敬の念をもってついていける先生でなくては全く効果も出ませんので、時間の余裕があるうちにいくつかの団体・何人かの先生の体験授業を受け、親御さんの目から見ても一番納得できる学習計画で進めてくれる先生を最初の段階でしっかりと選ぶことが大切です。
家庭教師や個別指導で成績が伸びたかどうかはだいたい3〜6ヶ月で見えてくるでしょうが、この期間に成長がなく新しい講師の選び直しとなってしまうと、この部分にかけた時間も指導料もすべて無駄になってしまうことになりますので、お手数はかかりますが、【最初の講師の選定】にはしっかりとお時間と労力をかけて頂くべきだと思います。
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